オンチップ細胞分析プラットフォーム:マイクロ流体チップへの接触蛍光顕微鏡の実装
引用
竹原 宏明大澤一孝、春田 牧人野田俊彦笹川清隆徳田 隆 太田 純、 ジャーナルAIP Advances ( 2017年
キーワード
- オンチップ細胞分析プラットフォーム
- 接触蛍光顕微鏡
- マイクロ流体
- CMOS蛍光イメージャー
- 超薄型ガラス底マイクロ流体チップ
- 細胞活動検出
- 内皮成長因子(EGF)
- FRETプローブ(EKAREV)
簡単な
この記事では、 CMOS 蛍光イメージャーと超薄型ガラス底マイクロ流体チップを使用して接触蛍光顕微鏡とマイクロ流体を統合し、生きた細胞を観察する新しいオンチップ細胞分析プラットフォームを紹介します。
まとめ
2017 年に AIP Advances 誌に掲載されたこの記事では、接触型蛍光顕微鏡とマイクロ流体を統合した新しいオンチップ細胞分析プラットフォームの開発について説明しています。主なポイントは次のとおりです。
- 従来の蛍光顕微鏡の限界:蛍光顕微鏡は生物医学研究や臨床応用のための強力なツールですが、従来の卓上顕微鏡は大きくて高価で、専門の人員を必要とするため、特定の状況での使用が制限されます。
- オンチップ プラットフォームの利点:この新しいプラットフォームは、接触型 CMOS 蛍光イメージャーと超薄型ガラス底マイクロ流体チップを組み合わせ、従来の方法に比べていくつかの利点を提供します。
- コンパクトでコスト効率に優れています: CMOS イメージ センサー テクノロジを使用することで、コンパクトなハードウェアが実現し、プラットフォームがより手頃な価格で利用しやすくなります。
- ハイスループットスクリーニング:マイクロ流体チップにより、生物学的サンプルの自動処理と分析が可能になり、プラットフォームはハイスループットアプリケーションに適しています。
- 画像の歪みを最小限に抑える:マイクロ流体チップの極薄ガラス底部により、サンプルとイメージャー間の距離が短縮され、信号損失が最小限に抑えられ、画像の解像度が向上します。
- 概念実証実験:研究者らは、培養細胞の内皮成長因子 (EGF) に対する反応をリアルタイムで検出することで、プラットフォームの機能を実証することに成功しました。これには、細胞が EGF で刺激されたときの蛍光強度の変化をモニターするために FRET プローブ EKAREV を使用することが含まれていました。
- 将来の方向性:この記事では、プラットフォームの潜在的な改善点として以下を提案しています。
- 接触蛍光イメージングの解像度を高めるための計算画像再構成技術。
- 吸収フィルターの性能が向上し、信号対雑音比が向上しました。
- フィルターパターン化技術を組み込むことで、マルチカラー蛍光イメージング機能を実現します。
- 生体内応用のための埋め込み型デバイスの開発。
結論として、このオンチップ細胞分析プラットフォームは、コンパクトなサイズ、コスト効率、自動化機能により、生物医学研究および医薬品開発にとって有望なツールとなります。
出典: https://pubs.aip.org/aip/adv/article/7/9/095213/940790