ポリキャピラリー光学系を備えたグリッド強化X線コード化開口顕微鏡
引用
Sowa, KM, Last, A., & Korecki, P. (2017). ポリキャピラリー光学系によるグリッド強化型 X 線コード化開口顕微鏡法。Scientific Reports, 7 , 44944. https://doi.org/10.1038/srep44944
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キーワード
- ポリキャピラリー光学系を備えたグリッド強化型X線コード化開口顕微鏡(XCAMPO)
- ポリキャピラリー光学系
- コード化されたアパーチャ
- サブミクロン解像度
- 焦点
- マイクロX線蛍光分光法(μXRF)
- 解像度チャート
- 深度解像度
- アーティファクトの解読
簡単な
ポリキャピラリー光学系を備えたグリッド強化型 X 線コード化開口顕微鏡 (XCAMPO) は、ポリキャピラリー光学系の出力面に配置された外部グリッドを使用して、光学系の特定の微細構造に依存せずにサブミクロン解像度の画像化を実現します。
まとめ
2017 年に Scientific Reports に掲載されたこの記事では、ポリキャピラリー光学系を使用したグリッド強化 X 線コード化開口顕微鏡法 (グリッド強化 XCAMPO) と呼ばれる新しい X 線顕微鏡法を紹介しています。この技術では、透過型電子顕微鏡法で使用されるような標準グリッドをポリキャピラリー光学系の出力に配置して、サブミクロン解像度の画像化を実現します。ポリキャピラリー光学系を使用する従来の X 線顕微鏡法では、光学系によって生成される焦点スポットのサイズによって解像度が制限されます。グリッド強化 XCAMPO では、グリッドをコード化開口として使用することでこの制限を克服しています。
仕組みは次のとおりです。物体をポリキャピラリー光学系の焦点内に配置し、グリッドの拡大画像が X 線カメラで記録されます。物体が焦点内にあると、グリッドの画像が歪みます。この歪んだ画像を数学的に解読すると、焦点のサイズよりもはるかに高い解像度で物体の構造が明らかになります。
実験は、グリッド強化型 XCAMPO の機能を実証するために、実験室ベースのセットアップを使用して実施されました。結果によると、この技術は 0.9 μm を超える空間解像度を達成でき、ポリキャピラリー光学系を使用した従来の投影イメージングの解像度を大幅に上回っています。さらに、この技術は、最も微細な特徴に対して約 12 μm の深度解像度を提供します。この記事では、グリッド強化型 XCAMPO の感度についても説明し、吸収の弱い物体でもイメージングできる能力を実証しています。
著者らは、グリッド強化型 XCAMPO の利点として、従来の XCAMPO アプローチでは特殊で複雑な光学系が必要だったのに対し、標準的なポリキャピラリー光学系で実装できる点を挙げています。また、さらなる最適化により、250~300 nm の空間分解能が実現できる可能性も示唆しています。この技術をマイクロ X 線蛍光 (μXRF) や位相コントラスト画像などの他の X 線画像撮影法と組み合わせる可能性についても説明しています。